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ガチフロキサシンをB・M・S社へ導出

1996年10月16日

杏林製薬株式会社(社長 荻原 秀 資本金 36億23百万円)は、尿路感染症、呼吸器感染症を始め、各種の細菌感染症に用いるニューキノロン系合成抗菌剤ガチフロキサシン(開発コードAM- 1155)の米国、カナダ、オーストラリア、メキシコ、ブラジル及びその他の国々における開発、販売権に関して、ブリストル・マイヤーズスクイブ社とライセンス契約を締結した.

杏林製薬が創製したガチフロキサシンの特徴としては、従来のニューキノロン剤の弱点であったグラム陽性菌に対する強い抗菌力を有しており、臨床成績においても肺炎球菌、ブドウ球菌による感染症に対し、高い臨床効果が確認されている。またグラム陰性菌、嫌気性菌、マイコプラズマ、クラミジア、抗酸菌にも強い抗菌力を示し、幅広い抗菌スペクトラムを有している。ガチフロキサシンはニューキノロン剤の中でも最強クラスの抗菌力を有し、組織移行など体内動態に優れた薬剤であると共に、他のキノロン系抗菌剤の課題である光毒性(太陽光線による皮膚刺激症状)が見られていない。なお欧米においては経口及び注射で1日1 回投与の開発を検討している。

杏林製薬にとってガチフロキサシンはノルフロキサシン、フレロキサシンに続く、3番目のニューキノロン系の合成抗菌剤。日本においては現在臨床第三相試験を行っており平成11年の申請を目指している。またヨーロッパではドイツのグリュネンタール社に導出し、現在は臨床第一相試験が行われている。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の臨床研究、開発部のDr.Sol Raiferは「ガチフロキサシンは細菌感染症との戦いの場においてエキサイティングな新開発であり、ブリストル・マイヤーズスクイブ社の抗感染症薬製品群の有望な新薬となるであろう。また今回の契約は当社に拡大中のキノロン市場参入のための好機を与えると共に、経口抗菌剤領域での当社の勢力を更に補完するものである」とガチフロキサシン導入の意義を述べている。

参考

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社

医薬品、一般消費材、栄養食品及び医療器具を主要事業としている多様化した国際的ヘルスケアー企業である。同社は心循環器系、代謝系、感染症、中枢神経系、皮膚障害、及び癌の革新的治療薬のリーディングメーカーであるとともに、一般薬、整形外科用器具、人工肛門ケアー用品、外傷用衛生材料、栄養補助食品、幼児用食品、ヘアー・スキンケアー用品等のリーダーでもある。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社にとって感染症領域は最も確立した事業のーつであり、その年間売上は約$20億弱に達している。現在販売中の抗感染症薬の中では、セフジル(経口セファロスポリン)が米国における経口セファロスポリンの中で処方ナンバーワンとなっている。またマキシピム(注射用セファロスポリン)を最近米国で発売した。

杏林製薬

免疫・アレルギー、感染症、胃腸疾患、痴呆領域に研究の重点を置く、研究開発指向の中堅製薬メーカー。杏林製薬はニューキノロン剤のパイオニアであり、ノルフロキサシンは世界126か国、フレロキサシンは33か国で発売されている。ガチフロキサシンはそれらに続く第三のニューキノロン剤として大きな期待を寄せている。

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