**2019年4月改訂(第24版)
*2016年9月改訂
貯  法:
遮光、室温保存
使用期限:
外箱に表示(使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用すること。)
注  意:
取扱い上の注意の項参照
ロイコトリエン受容体拮抗剤
気管支喘息治療剤
*日本薬局方 モンテルカストナトリウムチュアブル錠
日本標準商品分類番号
87449
承認番号
22000AMX00449000
薬価収載
2008年6月
販売開始
2001年8月
再審査結果
2013年12月
国際誕生
1997年7月
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成・性状】「*」
*成分
日局 モンテルカストナトリウム
含量
(1錠中)
モンテルカストとして5mg
添加物
D-マンニトール、結晶セルロース、三二酸化鉄、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、香料
剤形
裸錠
色調
うすい赤色
外形
直径:9.5mm 厚さ:4.4mm
質量:約300mg
識別コード
KP-371

【効能・効果】
気管支喘息
【用法・用量】
通常、6歳以上の小児にはモンテルカストとして5 mgを1日1回就寝前に経口投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤は、口中で溶かすか、噛み砕いて服用すること。
2.モンテルカストチュアブル錠はモンテルカストフィルムコーティング錠と生物学的に同等でなく、モンテルカストチュアブル錠はモンテルカストフィルムコーティング錠と比較してバイオアベイラビリティが高いため1)、モンテルカストチュアブル錠5 mgとモンテルカストフィルムコーティング錠5 mgをそれぞれ相互に代用しないこと。
【使用上の注意】「**」
1. 重要な基本的注意
(1)本剤は、喘息の悪化時ばかりでなく、喘息が良好にコントロールされている場合でも継続して服用するよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておくこと。
(2)本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている喘息発作を緩解する薬剤ではないので、このことは患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておく必要がある。
(3)気管支喘息患者に本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。
(4)長期ステロイド療法を受けている患者で、本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
(5)本剤投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるので注意すること。
(6)本剤との因果関係は明らかではないが、うつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。(「その他の注意」の項参照)
**(7)本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症様の血管炎を生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、特に好酸球数の推移及びしびれ、四肢脱力、発熱、関節痛、肺の浸潤影等の血管炎症状に注意すること。
(8)本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
2. 相互作用
本剤は、主として薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)2C8/2C9及び3A4で代謝される。(「薬物動態」の項参照)
[併用注意](併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
フェノバルビタール
本剤の作用が減弱するおそれがある。
フェノバルビタールがCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。(「薬物動態」の項参照)

3. 副作用
6歳以上の小児(国内試験成績)
国内で実施された臨床試験において、96例中2例(2.1%)に2件の副作用が認められ、副作用は蕁麻疹様皮疹、浮動性めまい各1件(1.0%)であった。(承認時)
国内で実施された特定使用成績調査における安全性評価対象1,194例中8例(0.7%)に9件(臨床検査値異常を含む)の副作用が認められ、副作用は、悪心2件(0.2%)、嘔吐、頭痛、チック、湿疹、多形紅斑、蕁麻疹、潮紅各1件(0.1%)であった。
国内で実施された製造販売後臨床試験2),3)における安全性評価対象134例中9例(6.7%)に12件(臨床検査値異常を含む)の副作用が認められ、副作用は、尿中蛋白陽性2件(1.5%)、悪心、頭痛、月経障害、感情不安定、白血球数増加、総蛋白増加、血中ビリルビン増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中尿素増加、尿中ウロビリン陽性各1件(0.7%)であった。(再審査終了時)
(外国試験成績 参考)
外国で実施された小児気管支喘息患者を対象とした長期投与試験4)において、172例中10例(5.8%)に13件の副作用が認められた。主な副作用は頭痛3件(1.7%)、消化不良2件(1.2%)、鼓腸2件(1.2%)等であった。臨床検査値の異常変動は総ビリルビン上昇1件が認められた。
成人(国内試験成績 参考)
国内で実施された臨床試験において、523例中46例(8.8%)に66件の副作用が認められた。主な副作用は下痢9件(1.7%)、腹痛7件(1.3%)、嘔気6件(1.1%)、胸やけ5件(1.0%)、頭痛5件(1.0%)等であった。臨床検査値の異常変動は、507例中49例80件に認められ、主なものはALT(GPT)上昇(505例中14件)、γ-GTP上昇(463例中9件)、Al-P上昇(476例中8件)等であった。
(1) 重大な副作用
1)アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
2)血管浮腫(頻度不明)
血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
3)劇症肝炎(頻度不明)、肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.01%)、黄疸(頻度不明)
劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
4)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(0.01%)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
5)血小板減少(頻度不明)
血小板減少(初期症状:紫斑、鼻出血、歯肉出血等の出血傾向)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2) その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1〜1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
皮疹、そう痒

蕁麻疹
肝臓の好酸球浸潤
**精神神経系
頭痛、傾眠
情緒不安、不眠、幻覚、めまい、感覚異常(しびれ等)
異夢、易刺激性、痙攣、激越、振戦、夢遊症、失見当識、集中力低下、記憶障害、せん妄、強迫性症状
呼吸器


肺好酸球増多症
消化器系
下痢、腹痛、胃不快感、嘔気
胸やけ、嘔吐、便秘、口内炎
消化不良
肝臓

肝機能異常、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇




筋骨格系


筋痙攣を含む筋痛、関節痛

その他
口渇、尿潜血
血尿、尿糖、浮腫、けん怠感、白血球数増加、尿蛋白、トリグリセリド上昇、出血傾向(鼻出血、紫斑等)、動悸、頻尿、発熱、脱毛
挫傷、脱力、疲労、遺尿
※副作用の頻度は、錠剤、チュアブル錠剤、細粒剤での国内臨床試験及び製造販売後調査等(使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)の結果を合わせて算出した。

4. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。海外の市販後において、妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。]
(2)授乳中の婦人に投与する場合は慎重に投与すること。
[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
5. 小児等への投与
(1)1歳以上6歳未満の小児に対してはモンテルカスト細粒4 mgを1日1回就寝前に投与すること。
(2)1歳未満の乳児、新生児、低出生体重児に対するモンテルカスト製剤の安全性は確立していない。
[国内でのモンテルカスト製剤の使用経験がない。]
6. 適用上の注意
(1)薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
(2)本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。
7. その他の注意
プラセボ対照臨床試験41試験を対象に統合解析を行った結果、本剤投与群9,929例中1例において自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群7,780例において自殺念慮は認められなかった5)
また、プラセボ対照臨床試験46試験を対象に統合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激性等)が、本剤投与群11,673例中319例(2.73%)、プラセボ群8,827例中200例(2.27%)において認められたが、統計学的な有意差は認められなかった6)
【薬物動態】
1.血中濃度
(1)小児
軽症から中等症の小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠5 mgを1日1回7日間食後反復経口投与したとき、1日目は投与後3.1時間、7日目は投与後4.3時間に最高血漿中濃度(Cmax)(630 ng/mL及び628 ng/mL)に達し、消失半減期(t1/2)はいずれもおよそ4時間であった(図1)。1日目及び7日目の血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC0-24hr)はそれぞれ4170 ng・hr/mL及び4910 ng・hr/mLであった。血漿中にモンテルカストはほとんど蓄積しないことが示唆された(表1)7)
図1 小児患者におけるモンテルカストチュアブル錠5 mg
反復経口投与時の血漿中濃度推移
表1 小児患者及び健康成人における薬物動態パラメータ
被験者
投与
日数
Tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2 a
(hr)
AUC0-24hr
(ng・hr/mL)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
小児
患者
1日目
3.1
±1.6
630
±234
3.99
±0.42
4170
±1000
4250
±1000
7日目
4.3
±1.4
628
±222
4.08
±0.55
4910
±1260
5030
±1280
健康
成人
1日目
5.3
±1.0
580
±136
4.68
±0.41
4470
±1120
4690
±1210
7日目
3.3
±1.0
660
±124
5.06
±0.32
4680
±1030
4960
±1120
平均±標準偏差
投与量:小児患者;モンテルカストチュアブル錠5 mg(n=7)
    健康成人;モンテルカストフィルムコーティング錠10 mg
         (n=8)
   a:調和平均±ジャックナイフ標準偏差

(2)成人(参考)
1)国内試験成績
健康成人8例にモンテルカストフィルムコーティング錠10 mgを空腹時に単回経口投与したとき、モンテルカストの血漿中濃度は投与3.9時間後にCmax 526 ng/mLに達し、t1/2 4.6時間で消失した。また、AUC0-∞は3840 ng・hr/mLであった8)
2)外国試験成績
・健康成人にモンテルカストチュアブル錠5 mgを食後投与することにより空腹時に比べて最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は2.3±0.9時間から4.0±1.9時間に遅延した。また、Cmaxは488±66 ng/mLから256±82 ng/mLに48%減少し、AUC0-∞は2730±743 ng・hr/mLから2386±498 ng・hr/mLに13%減少した9)
・健康高齢者(65歳〜73歳)にモンテルカストフィルムコーティング錠10 mgを単回経口投与したとき、2.8時間後にCmax 495 ng/mLに達し、t1/2 6.6時間で消失した。高齢者のAUC0-∞(3423.2±1344.7 ng・hr/mL)は健康非高齢者(20歳〜48歳)のAUC0-∞(3624.0±1257.8 ng・hr/mL)と比較して有意差はなかった10)
・軽度から中等度の肝機能障害のある肝硬変患者にモンテルカストフィルムコーティング錠10 mgを単回経口投与したとき、4.0時間後にCmax 313 ng/mLに達し、t1/2 8.6時間で消失した。
t1/2は健康成人の4.7時間に比べて遅くなり、AUC0-∞は2248.7±812.1 ng・hr/mLから3167.2±1300.5 ng・hr/mLに41%増加した11)
・健康成人にモンテルカストチュアブル錠10mg及びモンテルカストフィルムコーティング錠10 mgを投与した場合の薬物動態パラメータは下記のとおりである(表2)12)
表2 健康成人における薬物動態パラメータ
用量及び
剤形
Tmax a
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
10mg CT
2.0±0.3
493.7±83.1
4.8±0.3
2938.8±583.1
10mg FCT
4.0±1.4
333.4±109.6
4.6±0.6
2447.6±779.0
平均±標準偏差、n=16
CT:モンテルカストチュアブル錠
FCT:モンテルカストフィルムコーティング錠
a :中央値±標準偏差
 

・健康成人にモンテルカストチュアブル錠5 mg及びモンテルカストフィルムコーティング錠10 mgを投与したときの生物学的利用率はそれぞれ約73%及び約64%であった13)
2.分布
モンテルカストのヒト血漿蛋白との結合率は99.6%であった。モンテルカストは生理的な濃度のアルブミン及びα1-酸性糖蛋白質の両方に99%以上結合した14)
3.代謝
ヒトにおけるモンテルカストの主要代謝物は側鎖メチル基の水酸化体及びベンジル位メチレン基の水酸化体であった。これら代謝物の生成にはそれぞれチトクロームP450(CYP)の分子種であるCYP2C8/2C9及び3A4が関与しており、CYP2C8がモンテルカストの主要代謝酵素であった。更に側鎖メチル基の水酸化体はカルボン酸体まで酸化的代謝を受けることが確認されている。In vitro試験により治療時の血漿中濃度では、モンテルカストはCYP3A4、2C9、1A2、2A6、2C19又は2D6を阻害しないことが示された15)〜18)
また、in vitro試験によりモンテルカストはCYP2C8を阻害することが示されたが、in vivoにおいてはモンテルカストは主にCYP2C8で代謝される代表的な薬剤であるロシグリタゾンとの臨床薬物相互作用試験で、CYP2C8を阻害しないことが示された(外国試験成績 参考)19)。したがって、モンテルカストはCYP2C8で代謝される薬剤(パクリタキセル等)の代謝に影響を及ぼさないと考えられる。
4.排泄
(1)国内試験成績
健康成人にモンテルカストカプセル剤400 mgを単回経口投与したとき尿中に未変化体は検出されなかった8)
(2)外国試験成績(参考)
健康成人に14C標識モンテルカストカプセル剤102 mgを単回経口投与した後5日間の、糞中及び尿中放射能排泄率はそれぞれ約86%及び0.1%であった20)
5.他剤との併用(外国試験成績 参考)
(1)フェノバルビタール21)
健康成人にフェノバルビタール100 mg(14日間反復)を経口投与したとき、モンテルカストフィルムコーティング錠10 mg(単回)を経口投与により併用するとモンテルカストのAUC0-∞は約40%減少した。
(2)テオフィリン22)
健康成人にモンテルカストカプセル剤を高用量(200 mgを1日1回6週間反復あるいは1日3回8日間反復)で経口投与し、テオフィリンの経口投与(250 mg単回)あるいは静脈内投与(5 mg/kg単回)を併用したとき、血漿中テオフィリン濃度の低下が認められたが、モンテルカストフィルムコーティング錠10 mg(10日間反復)の経口投与とテオフィリン5 mg/kg(単回)の静脈内投与の併用では血漿中テオフィリン濃度の変化は認められなかった。
(3)プレドニゾン、プレドニゾロン
健康成人にモンテルカストカプセル剤200 mg(6週間反復)とプレドニゾン20 mg(単回)を経口投与により併用したとき、プレドニゾンのAUC0-∞がプラセボ群と比較して有意に低下したが、同一被験者のモンテルカストカプセル剤200 mg投与前後の比較では変化はなく、活性代謝物であるプレドニゾロンの薬物動態も変化はなかった。また、健康成人にモンテルカストカプセル剤200 mg(6週間反復)とプレドニゾロン20 mg(単回)を静脈内投与により併用したとき、プレドニゾン及びプレドニゾロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった。
(4)経口避妊薬23)(エチニルエストラジオール 35 μg/ノルエチンドロン 1 mg)
健康成人にモンテルカストカプセル剤100 mg(8日間反復)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール 35 μg/ノルエチンドロン 1 mg 単回)を経口投与により併用したとき、エチニルエストラジオール及びノルエチンドロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった。
(5)ジゴキシン24)
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10 mg(7日間反復)とジゴキシン0.5 mg(単回)を経口投与により併用したとき、免疫反応性ジゴキシンの薬物動態は影響を受けなかった。
(6)ワルファリン25)
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10 mg(7日間反復)とワルファリン30 mg(単回)を経口投与により併用したとき、ワルファリンの血漿中総薬物濃度は影響を受けなかった。また、プロトロンビン時間への影響もなかった。
注)6歳以上の小児における承認用量は1回5 mgである。
【臨床成績】
1.小児
(1)国内試験成績
1)6歳から14歳の小児気管支喘息患者における有効率(全般改善度中等度改善以上の割合)は60.9%(123/202例)であった。
2)6歳から14歳の小児気管支喘息患者を対象とした二重盲検比較市販後臨床試験の結果、2週時ピークフロー改善値(起床時)は本剤(5 mg/日)が13.4±3.1 L/min、対照薬のケトチフェン(ドライシロップ剤:6歳;1.2 mg/日、7歳以上;2 mg/日)が3.6±3.1 L/min(最小二乗平均±標準誤差)であった2)
(2)外国試験成績
外国で実施された小児気管支喘息患者196例を対象としたプラセボ対照二重盲検試験において、本剤投与により1秒量が8.7%増加した。
2.成人(参考)
(1)国内で実施された二重盲検比較試験を含む成人気管支喘息患者を対象とした臨床試験における最終全般改善度の有効率は55.6%(145/261例)であった。
(2)気管支喘息患者における第V相二重盲検比較試験の結果、本剤の最終全般改善度の有効率は58.5%(83/142例)であり、プランルカスト水和物450 mg群[46.0%(63/137例)]に対する非劣性が検証された(非劣性マージンΔ=10%)26)
(3)国内の臨床試験において、健康成人で1日量400 mgまで忍容性が認められている8)
(注)6歳以上の小児における承認用量は1回5 mgである。
【薬効薬理】
作用機序
モンテルカストは、システイニルロイコトリエンタイプ1受容体(Cys LT1受容体)に選択的に結合し、炎症惹起メディエーターであるLTD4やLTE4による病態生理学的作用(気管支収縮、血管透過性の亢進、及び粘液分泌促進)を抑制する。この作用機序に基づき、モンテルカストは抗喘息作用として、喘息性炎症の種々の因子を改善する。
1.LT受容体拮抗作用(受容体結合試験)
受容体結合試験(モルモット肺細胞膜、U937細胞膜及びTHP-1細胞膜)で、LTD4の受容体結合を強力に阻害し、その作用は血液成分による影響を受けなかった。LTC4及びLTB4に対する受容体拮抗作用は弱かった27)
2.気管支収縮抑制作用(摘出臓器及び動物試験)
モルモット摘出気管におけるLTD4の収縮を競合的に阻害した。また、モルモット及びリスザルにおいてLTD4誘発気管支収縮反応に対して強力かつ持続的な阻害作用を示した。一方、モンテルカストは、LTC4(LTC4の代謝を阻害した条件下)による摘出組織の収縮を阻害しなかった。また、モルモットを用いたヒスタミン、アラキドン酸、セロトニン及びアセチルコリン誘発の気管支収縮をほとんど阻害しなかった27)
3.抗原誘発による気管支収縮抑制作用
感作した近交系喘息ラット、モルモット及びリスザルの抗原誘発による気管支収縮反応を静脈内投与及び経口投与で抑制した27)。海外の臨床試験において、抗原投与による即時型及び遅発型気管支収縮をそれぞれ75%、57%抑制した28)
4.即時型及び遅発型気管支収縮反応に対する抑制作用
感作リスザルの抗原誘発による即時型及び遅発型気管支収縮反応を経口投与で抑制した27)
5.アナフィラキシーショックに対する抑制作用
感作モルモットの卵アルブミンによるアナフィラキシ−ショックを部分的に抑制した29)
6.肺機能の改善作用
軽症から中等症の慢性気管支喘息患者において、1秒量及び最大呼気流量を改善した30)
7.好酸球に対する効果
軽症から中等症の慢性気管支喘息患者において、喀痰中の好酸球比率をプラセボに比べて有意に低下させた31)。同様に成人30)、小児患者32),33)における末梢血好酸球比率も有意に低下させた。
【有効成分に関する理化学的知見】「*」
一般名:
モンテルカストナトリウム(Montelukast Sodium)[JAN]
*化学名:
Monosodium (1-{[((1R)-1-{3-[(1E)-2-(7- chloroquinolin-2-yl)ethenyl]phenyl}-3-[2-(1-hydroxy- 1-methylethyl)phenyl]propyl)sulfanyl]methyl} cyclopropyl)acetate
分子式:
C35H35ClNNaO3S
*分子量:
608.17
*性状 :
本品は白色〜微黄白色の粉末である。本品はメタノール及びエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水に溶けやすい。本品は吸湿性である。本品は光によって黄色に変化する。本品は結晶多形が認められる。
*化学構造式:


【取扱い上の注意】
貯法:
開封後は、湿気を避けて保存すること。

【包装】
キプレスチュアブル錠5mg
PTP包装:    
28錠(14錠×2)
100錠(10錠×10)
140錠(14錠×10)
【主要文献】
1)Knorr, B., et al., J. Clin. Pharmacol., 39(8), 786(1999).

2)西間三馨, 他, 臨床医薬, 21(6), 605(2005).

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7)飯倉洋治, 他, 臨床医薬, 17(4), 597(2001).

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10)Zhao, J. J., et al., Biopharm. Drug Dispos., 18(9), 769(1997).

11)モンテルカストの肝機能障害患者における薬物動態(社内資料).

12)モンテルカストの健康成人における薬物動態(社内資料).

13)モンテルカストの生物学的利用率(社内資料).

14)モンテルカストの蛋白との結合(社内資料).

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25)Van Hecken, A., et al., J. Clin. Pharmacol., 39(5), 495(1999).

26)宮本昭正, 他, 臨床医薬, 17(4), 519(2001).

27)Jones, T. R., et al., Can. J. Physiol. Pharmacol., 73(2), 191(1995).

28)Diamant, Z., et al., Clin. Exp. Allergy, 29(1), 42(1999).

29)モンテルカストのアナフィラキシーショックに対する抑制作用(社内資料).

30)宮本昭正, 他, 臨床医薬, 17(4), 577(2001).

31)Minoguchi, K., et al., Chest, 121(3), 732(2002).

32)古庄巻史, 他, 臨床医薬, 17(4), 609(2001).

33)古庄巻史, 他, 臨床医薬, 21(10), 1019(2005).

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