**2013年5月改訂(第8版 会社住所の変更)
*2010年4月改訂
貯  法:
室温保存
使用期限:
外箱、容器に表示
注  意:
取扱い上の注意の項参照
日本標準商品分類番号
871211
承認番号
22000AMX01923000
薬価収載
2008年12月
販売開始
1959年8月
再評価結果
1974年11月
注)注意−医師等の処方箋により使用すること
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
○印は各麻酔方法での該当する項目
項目

麻酔方法
脊椎
麻酔
硬膜外
麻酔
浸潤、
伝達麻酔
表面
麻酔
1.次の患者又は部位には投与しないこと
(1)
重篤な出血やショック状態
[重篤な低血圧が起こることがある。]






(2)
注射部位又はその周辺の炎症
[化膿性髄膜炎症状を起こすおそれがある。]






(3)
敗血症
[敗血症性の髄膜炎を生ずるおそれがある。]






(4)
本剤の成分又は安息香酸エステル(コカインを除く)系局所麻酔剤に対し、過敏症の既往歴のある患者




(5)
中枢神経系疾患
髄膜炎、脊髄癆、灰白脊髄炎等の患者
[脊椎麻酔により症状が悪化するおそれがある。]






2.次の患者には血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しないこと
(1)
血管収縮剤に対し、過敏症の既往歴のある患者




(2)
高血圧、動脈硬化、心不全、甲状腺機能亢進、糖尿病、血管痙攣等のある患者
[これらの症状が悪化するおそれがある。]





(3)
耳、指趾又は陰茎の麻酔
[壊死状態になるおそれがある。]









【組成・性状】
成分・含量
(1バイアル中)
日局 テトラカイン塩酸塩 20mg
剤形
注射剤(用時溶解)
内容物
白色の粉末又は塊

溶解後の性状
溶解液
テトラカイン塩酸塩の濃度
pH
浸透圧比
溶血性
比重
20℃
25℃
37℃
5%ブドウ糖
注射液
0.1%
6.0±1.0
約1


1.0194
1.0190
1.0190
0.5%
5.7±1.0
約1
1.0199
1.0197
1.0197
1%
5.5±1.0
約1
1.0205
1.0202
1.0202
10%ブドウ糖
注射液
0.1%
5.5±1.0
約2
(−)
1.0339
1.0330


0.5%
5.5±1.0
約2
1.0353
1.0334
1%
5.5±1.0
約2
1.0369
1.0353
20%ブドウ糖
注射液
0.1%
5.9±1.0
約5


1.0764
1.0759
1.0757
0.5%
5.5±1.0
約5
1.0764
1.0761
1.0757
1%
5.4±1.0
約5
1.0769
1.0765
1.0758
注射用蒸留水
0.1%
5.5±1.0
約0.0
(+)
0.9987
0.9984


生理食塩液
0.1%
5.5±1.0
約1
(+)
浸透圧比は生理
食塩液に対する比
0.2%
5.5±1.0
約1
2%
5.5±1.0
約1

【効能・効果】
脊椎麻酔(腰椎麻酔)、硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔、表面麻酔
【用法・用量】
使用に際し、目的濃度の水性注射液又は水性液として、使用する。
脊椎麻酔(腰椎麻酔):テトラカイン塩酸塩として、通常成人下記量を使用する。
 高比重溶液:0.1〜0.5%注射液とし、6〜15mg
 低比重溶液:0.1%注射液とし、6〜15mg
硬膜外麻酔:0.15〜0.2%注射液とし、テトラカイン塩酸塩として、通常成人30〜60mgを使用する。
伝達麻酔:(基準最高用量:1回100mg)0.2%注射液とし、テトラカイン塩酸塩として、通常成人10〜75mgを使用する。
浸潤麻酔:(基準最高用量:1回100mg)0.1%注射液とし、テトラカイン塩酸塩として、通常成人20〜30mgを使用する。
表面麻酔:0.25〜2%液とし、テトラカイン塩酸塩として通常成人5〜80mgを使用する。
ただし、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減する。必要に応じアドレナリン(通常濃度1:1万〜2万)を添加して使用する。
【使用上の注意】
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
○印は各麻酔方法での該当する項目
項目

麻酔方法
脊椎
麻酔
硬膜外
麻酔
浸潤、
伝達麻酔
表面
麻酔
(1)
次の患者には慎重に投与すること




1)
妊産婦
[妊娠末期は、麻酔範囲が拡がり、仰臥性低血圧を起こすことがある。]






2)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)




3)
若年者
[一般に麻酔範囲が拡がりやすい。]







4)
血液疾患や抗凝血剤治療中の患者
[出血しやすいので、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。]






5)
重篤な高血圧症の患者
[低血圧が起こりやすい。]






6)
脊柱の著明な変形のある患者
[脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔の高さの予測も困難である。]






(2)
次の患者には血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)との併用を慎重にすること








1)
ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔剤使用中の患者
[心筋の被刺激性が高まって不整脈が発現しやすい。]





2)
三環系抗うつ剤服用中の患者
[心血管作用の増強がみられることがある。]






2. 重要な基本的注意
○印は各麻酔方法での該当する項目
項目

麻酔方法
脊椎
麻酔
硬膜外
麻酔
浸潤、
伝達麻酔
表面
麻酔
(1)
一般に脊椎麻酔の際には血圧が下降しやすいので、次の測定基準により血圧管理を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。







1)
薬液を注入してから1分後に血圧を測定する。
2)
それ以降14分間は、2分に1回血圧を測定する。必要があれば(例えば血圧が急速に下降傾向を示すような場合)連続的に血圧を測定する。
3)
薬液注入後15分以上経過した後は、2.5〜5分に1回血圧を測定する。必要があれば(例えば血圧が急速に下降傾向を示すような場合)連続的に血圧を測定する。
(2)
まれにショック様症状を起こすことがあるので、局所麻酔剤の使用に際しては、常時、直ちに救急処置のとれる準備が望ましい。




(3)
本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショック様症状をでるきだけ避けるために、次の諸点に留意すること。




1)
バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸、意識レベル)及び麻酔高に注意し、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。







2)
患者の全身状態の観察を十分に行うこと





3)
ショック様症状がみられた際に迅速な処置が行えるように、原則として事前の静脈路の確保を行うこと。






4)
臍部以上の部位の手術に用いる必要がある場合には、慎重に投与すること。







5)
本剤の比重は一定に調製されているが、患者の脳脊髄液の比重にはかなりの変動があることに留意すること。







6)
できるだけ薄い濃度のものを用いること。





7)
できるだけ必要最少量にとどめること。





8)
必要に応じて血管収縮剤の併用を考えること。






9)
注射針が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。







10)
注射の速度はできるだけ遅くすること。






11)
血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が早いのでできるだけ少ない量で使用すること。







12)
注射針が血管に入っていないことを確かめること。








3. 副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
(1) 重大な副作用
1)ショック
ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧降下、顔面蒼白、脈拍の異常、呼吸抑制等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)中枢神経障害
振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)の投与等の適切な処置を行うこと。
(2) その他の副作用

頻度不明
中枢神経注)
眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、悪心・嘔吐 等
過敏症
蕁麻疹、浮腫 等
注)観察を十分に行い、ショックあるいは中毒への移行に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

4. 高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

5. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

6. 適用上の注意
○印は各麻酔方法での該当する項目
項目

麻酔方法
脊椎
麻酔
硬膜外
麻酔
浸潤、
伝達麻酔
表面
麻酔
(1)
投与時:








1)
髄液の漏出を最少に防ぐために、脊椎穿刺針は、できるだけ細いものを用いること。(脊椎穿刺により脊麻後頭痛が、また、まれに一過性の外転神経麻痺等があらわれることがある。)なお、必要に応じて輸液を行うこと。







2)
脊椎麻酔により、まれに脊髄神経障害があらわれることがあるので、穿刺に際して患者が放散痛を訴えた場合、脳脊髄液が出にくい場合又は血液混入を認めた場合には、本剤を注入しないこと。







(2)
投与部位
眼科用として投与しないこと。








【薬物動態】
代謝1)
テトラカインは血漿中でプロカインエステラーゼによって加水分解されてp-butylaminobenzoic acid [C4H9NHC6H4COOH]とdimethylaminoethanol
[HOCH2CH2N(CH3)2]を生じるが、その分解速度はプロカインよリ4〜5倍遅い。
【薬効薬理】
神経細胞の細胞膜の興奮時及び静止時のイオン透過性をいずれも抑制して、神経興奮に必要な脱分極を阻止することにより、神経遮断作用を示す2)
【有効成分に関する理化学的知見】
一般名:
テトラカイン塩酸塩 (Tetracaine Hydrochloride) [JAN]
化学名:
2-(Dimethylamino)ethyl 4-(butylamino)benzoate monohydrochloride
分子式:
C15H24N2O2・HCl
分子量:
300.82
融点 :
約148℃
性状 :
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦く、舌を麻痺する。
本品はギ酸に極めて溶けやすく、水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品の水溶液(1→10)は中性である。

分配係数:
有機溶媒相
水相
分配係数
クロロホルム
pH7.0 Britton Robinson緩衝液
2.1

(24℃)
化学構造式:


【取扱い上の注意】
注意:
沸騰、加圧滅菌に耐えるが、アルカリに合うと、Free Baseが析出するので注射器具等のアルカリ性煮沸滅菌を行ってはならない。

【包装】*
テトカイン注用20mg「杏林」
1バイアル20mg    
10バイアル
【主要文献】
1) 第十五改正 日本薬局方解説書(廣川書店), C-2628(2006).

2) 田中 潔, 現代の薬理学 改訂第15版(金原出版), 165(1988).

【文献請求先】**
杏林製薬株式会杜 くすり情報センター
〒101-8311 東京都千代田区神田駿河台4-6
電話 0120-409341
受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝日を除く)