本剤(リフヌア®錠45mg)の有効成分であるゲーファピキサントは、選択的P2X3受容体拮抗薬です1)。また、P2X2/3受容体サブタイプに対する拮抗作用も有しています。
P2X3受容体は、気道の迷走神経のC線維上にみられるATP依存性イオンチャネルであり2),3)、C線維は炎症又は化学刺激物質に反応して活性化されます。
ATPは炎症条件下で気道粘膜細胞から放出されますので、細胞外ATPのP2X3受容体への結合は、C線維を介した侵害シグナルとして感知されます。C線維の活性化を患者が咳嗽の衝動として感じることで咳嗽反射が起こります。
このため、P2X3受容体を介した細胞外ATPシグナル伝達を遮断することにより、咳嗽が抑制されます。
注)出典文献の動物及びヒトでの試験結果は、本図で経路を説明する科学的根拠となっており、動物データの臨床的意義は不明である。
図 咳嗽のメカニズム(イメージ図)3)~8)
図 ゲーファピキサントの作用機序9)
- 電子添文(18.1項)[2025年2月改訂(第4版)]
- インタビューフォーム(VI.2.(1)作用部位・作用機序)[2025年2月改訂(第5版)]
References
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2025/2/6