重度の肝機能障害のある患者には、本剤(ラスビック®点滴静注キット150mg)を投与しないでください(禁忌)。
また、中等度の肝機能障害のある患者では、本剤の有効成分であるラスクフロキサシンの血漿中濃度が上昇するおそれがありますので、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと) 2.5 重度の肝機能障害のある患者[9.3.1参照] |
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.3 肝機能障害患者 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者 投与しないこと。血漿中濃度上昇のおそれがある。[2.5参照] 9.3.2 中等度の肝機能障害のある患者 血漿中濃度上昇のおそれがある。[16.6.2参照] |
[補足]
中等度の肝機能障害のある患者への投与時の安全性は、RMPの安全性検討事項の「重要な不足情報(点滴静注キット)」に挙げられています。
[解説]
肝機能障害が軽度及び中等度の被験者にラスクフロキサシン75mg注)を単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは下表のとおりであった。
表 肝機能障害者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
肝機能障害の程度 (Child-Pugh分類スコア) |
例数 |
Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUCinf (μg・hr/mL) |
---|---|---|---|---|---|
軽度(5~6) |
11 |
0.862 ± 0.190 |
1.31 ± 0.522 |
15.5 ± 3.43 |
14.4 ± 5.23 |
中等度(7~9) |
2 |
0.734, 1.32 |
0.967, 1.03 |
19.6, 23.4 |
12.4, 25.3 |
軽度:平均値±標準偏差
中等度:個別値
注)本剤の用法及び用量は、「通常、成人にはラスクフロキサシンとして、投与初日に300mgを、投与2日目以降は150mgを1日1回点滴静注する。」です。
- 電子添文(2.5項、9.3項)[2022年3月改訂(第4版)]
- 補足;医薬品リスク管理計画書(RMP)[2024年1月19日提出]
- 解説;電子添文(16.6.2項)[2022年3月改訂(第4版)]
2024/3/8