高齢者では、本剤(ラスビック®点滴静注キット150mg)の投与により「腱障害」があらわれやすいとの報告があります。本剤の重大な副作用に「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」がありますので、腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状があらわれた場合には直ちに受診するように指導してください。
また、一般に、高齢者は生理機能が低下していますので、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.8 高齢者 9.8.1 腱障害があらわれやすいとの報告がある。[11.1.7参照] 9.8.2 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。本剤の臨床試験成績では、高齢者(65~91歳)において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者(16~64歳)と同様であった。 |
11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.7 アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明) 腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.8.1参照] |
[補足]
フルオロキノロン系抗菌薬投与時の腱障害のリスク因子に関する系統的文献レビュー1)において、高齢者群では対照群よりも腱障害のリスクが増大することが示唆されました。
[関連FAQ]
- 電子添文(9.8項、11.1.7項)[2024年5月改訂(第5版)]
- 補足;インタビューフォーム(VIII.6.(8)高齢者)[2025年6月改訂(第6版)]
References
- Stephenson, A.L. et al. :Drug Saf. 2013 ;36 :709-721(PMID:23888427)
2025/6/24