本剤(ラスビック®点滴静注キット150mg)の投与により、QT間隔が延長するおそれがあります。
このため、次の患者には投与しないでください(禁忌)。
- QT延長のある患者
- 低カリウム血症のある患者
- クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)の抗不整脈薬を投与中の患者
- クラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者
また、本剤の投与開始前及び投与中は、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて心電図検査等を実施してください。
電子添文の関連する記載は、以下のとおりです。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと) 2.2 QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)[8.3、9.1.2、11.1.4参照] 2.3 低カリウム血症のある患者[9.1.2、11.1.4参照] 2.4 クラスIA(キニジン、プロカインアミド等)又はクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬を投与中の患者[10.1参照] |
8. 重要な基本的注意 8.3 本剤投与によりQT間隔が延長するおそれがあるため、本剤の投与開始前及び投与中は患者の状態を十分に観察し、必要に応じて心電図検査等を実施すること。[2.2、9.1.2、11.1.4参照] |
11.1 重大な副作用 11.1.4 QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)(いずれも頻度不明) [2.2、2.3、8.3、9.1.2参照] |
[補足]
QTc間隔延長(Torsades de pointesを含む)は、RMPの安全性検討事項の「重要な特定されたリスク」に挙げられています。
[解説]
健康成人を対象とした無作為化二重盲検クロスオーバー試験において、ラスクフロキサシン225mg注)(57例)、450mg注)(57例)及び750mg注)(58例)単回経口投与時のQT/QTc延長をQTcF(Fridericia法による心拍数補正QT)を用いて評価した結果、225mg投与群が陰性、450mg投与群以上で陽性と判定された。
なお、健康成人に450mg経口投与時のCmax(3.44±0.65μg/mL)は、呼吸器感染症患者に本剤の用法・用量投与時のCmax(投与初日4.19±1.11μg/mL、定常状態3.19±0.929μg/mL)と同程度である。
注)本剤の用法及び用量は、「通常、成人にはラスクフロキサシンとして、投与初日に300mgを、投与2日目以降は150mgを1日1回点滴静注する。」です。
- 電子添文(2.2項、2.3項、2.4項、8.3項、11.1.4項)[2024年5月改訂(第5版)]
- 補足;医薬品リスク管理計画書(RMP)[2024年6月12日提出]
- 解説;電子添文(17.3.1項)[2024年5月改訂(第5版)]
2024/7/29