本剤(ラスビック®点滴静注キット150mg)と「他剤」又は「輸液」とを配合した場合に、配合変化が認められているものがありますので、以下の点に注意してください。
- 本剤を他剤及び輸液とは配合しないでください。
- 本剤と"ヘパリンナトリウム"を配合すると、"白濁しゲル状の沈殿"が析出します。このため、静脈内カテーテル留置を行う際は、ヘパリンナトリウムによる血液凝固防止(ヘパリンロック)の前後には、ルート内を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で洗浄(フラッシング)してください。
- 同一の点滴ラインを用いた本剤と他剤及び輸液との同時投与は避けてください。
- 同一の点滴ラインを使用しなければならない場合には、本剤の投与前後に「生理食塩液」又は「5%ブドウ糖注射液」を輸液チューブ内に流し、点滴ライン内で本剤と他剤及び輸液が混ざらないようにしてください。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
14. 適用上の注意 14.2 薬剤投与時の注意 14.2.2 他剤及び輸液と配合した場合に、配合変化が認められているものがあるため、本剤を他剤及び輸液と配合しないこと。なお、同一の点滴ラインによる他剤及び輸液との同時投与は避けること。 14.2.3 本剤はヘパリンナトリウムと配合変化が認められているため、静脈内カテーテル留置を行う際、ヘパリンナトリウムによる血液凝固防止(ヘパリンロック)前後は、ルート内を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で洗浄(フラッシング)すること。 14.2.4 本剤と他の薬剤を同一の輸液チューブにより連続注入する場合には、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を本剤の投与前後に輸液チューブ内に流すこと。 |
[解説]
本剤と生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液との配合変化試験の結果は、以下のとおりであった。
薬効分類 |
薬剤名・販売名*1 一般名 製造販売会社名*1 |
単剤の性状・pH (電子添文より) |
配合 容量*2 |
測定 時期*3 |
配合結果 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
性状 |
pH |
浸透 圧比 |
含量 (%)*4 |
変化 量*5 |
||||||
性状 |
pH |
|||||||||
血液代用剤 |
大塚生食注 (株)大塚製薬工場 |
無色澄明の注射液 |
4.5~8.0 |
50mL+ 50mL |
0hr |
微黄色澄明の液 |
6.9 |
1.0 |
100.7 |
- |
24hr |
微黄色澄明の液 |
7.0 |
1.0 |
102.3 |
1.6 |
|||||
糖類剤 |
大塚糖液5% (500mL) 精製ブドウ糖 (株)大塚製薬工場 |
無色澄明 |
3.5~6.5 |
50mL+ 50mL |
0hr |
微黄色澄明の液 |
6.9 |
1.0 |
100.9 |
- |
24hr |
微黄色澄明の液 |
6.9 |
1.0 |
103.3 |
2.4 |
*1:2018年6月時点の名称
*2:「配合する薬剤の容量」+「薬液を専用希釈液に混合後のラスビック®点滴静注キット150mgの容量」
*3:[0hr]調製直後、[24hr]調製の24時間後
*4:ラスビック点滴静注キット150mgのラスクフロキサシン表示量に対するラスクフロキサシンの量(%)
*5:「24時間後のラスクフロキサシン含量(%)」-「調製直後のラスクフロキサシン含量(%)」
[関連FAQ]
- 電子添文(14.2.2項、14.2.3項、14.2.4項)[2024年5月改訂(第5版)]
- インタビューフォーム(IV.8.1)配合変化)[2024年5月改訂(第5版)]
- 解説;インタビューフォーム(VIII.11.適用上の注意、XIII.2.2)配合変化試験)[2024年5月改訂(第5版)]
2024/7/29