授乳婦に本剤(ペンタサ®顆粒94%/錠250mg/錠500mg)を投与する場合は、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。
本剤の有効成分であるメサラジンが、ヒトの母乳中へ移行することが報告されています(外国人データ)1)、2)。
また、国内及び海外において 乳児に下痢が起きることが報告されています。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.6 授乳婦 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている1)、2)(外国人データ)。また、国内及び海外において乳児に下痢が起きることが報告されている。 |
[解説]
出産後2~4週間の授乳中の炎症性腸疾患患者13例において、メサラジン製剤※投与による母乳中の未変化体及びアセチル体の濃度を測定したところ、3例の母乳中に未変化体が検出されたが、その濃度は低く、0.13~0.53μmol/Lの間であった。また、本試験で検出されたアセチル体の最高濃度は73.1μmol/Lであった1)、2)。
※:ペンタサ錠8例、ペンタサ坐剤1例、他剤4例
表 ペンタサ錠又はペンタサ坐剤投与患者におけるアセチル体の平均乳汁中濃度
症例 |
母乳サンプル数 |
用法及び用量 |
アセチル体の平均乳汁中濃度(範囲) (μmol/L) |
|
---|---|---|---|---|
1 |
4 |
ペンタサ坐剤1g 夜投与 |
8.8 (5.2 - 12.5) |
|
2 |
6 |
ペンタサ錠 500mg 朝投与 |
4.4 (2.3 - 8.1) |
|
3 |
1 |
ペンタサ錠 500mg×3 |
24.1 |
|
4 |
7 |
ペンタサ錠 500mg×3 |
29.4 (19.2 - 41.1) |
|
5 |
5 |
ペンタサ錠 500mg×3 |
15.7 (9.6 - 23.7) |
|
6 |
8 |
ペンタサ錠 500mg×3 |
12.6 (6.6 - 22.1) |
|
7 |
6 |
ペンタサ錠 750mg×2 |
19.1 (4.9 - 36.3) |
|
8 |
8 |
ペンタサ錠 500mg×4 |
47.5 (31.4 - 53.3) |
|
9 |
7 |
ペンタサ錠 1g×3 |
46.3 (29.3 - 73.1) |
- 顆粒94%;電子添文(9.6項)[2024年5月改訂(第4版)]
- 錠250mg/錠500mg;電子添文(9.6項)[2024年5月改訂(第4版)]
- 解説;インタビューフォーム(VII.5.(3)乳汁への移行性)[2024年5月改訂(第28版)]
References
- Christensen, L.A. et al. :Acta. Obstet. Gynecol. Scand. 1994 ;74 :399-402(PMID:8009971)
- Jenss, H. et al. :Am. J. Gastroenterol. 1990 ;85 :331(PMID:2309691)
2025/3/3