本剤(ペンタサ®坐剤1g)とメサラジン経口剤との併用は可能ですが、メサラジンとしての総投与量が増加しますので、"肝機能又は腎機能の低下している患者"や"高齢者"等への併用投与に際しては十分に注意してください。
また、併用時に異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行ってください。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
7. 用法及び用量に関連する注意 7.1 本剤をメサラジン経口剤と併用する場合には、メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮し、特に肝又は腎機能の低下している患者並びに高齢者等への投与に際しては、十分に注意すること。併用時に異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。[9.2.2、9.3.2、9.8参照] |
[補足]
同一試験内で検討した成績ではありませんが、本剤とペンタサ経口剤(2,000mg)の併用投与時(メサラジンとして3,000mg)の未変化体及びアセチル体のCmax及びAUCtは、ペンタサ経口剤(2,000mg)の単剤投与時のCmax、AUCt及び累積尿中排泄率と同程度でした。
なお、潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針(令和4年度改訂版)1)には、本剤とメサラジン経口剤との併用に関して、以下のように記載されています。
II 薬物療法
1 寛解導入療法
1-1. 直腸炎型
5-ASA(5-アミノサリチル酸)製剤の経口剤(ペンタサ®顆粒/錠・サラゾピリン®錠・アサコール®錠・リアルダ®錠)または坐剤(ペンタサ®坐剤・サラゾピリン®坐剤)あるいは注腸剤(ペンタサ®注腸)による治療を行う。これで改善がなければ、製剤(経口剤、坐剤、注腸剤)の変更や追加、あるいは成分の異なる局所製剤への変更または追加を行う。
2 寛解維持療法
以下の5-ASA製剤の経口剤投与または局所治療の単独または併用を行う。直腸炎型の寛解維持では局所治療の単独あるいは併用も有用である。
経口剤: ペンタサ®顆粒/錠1日1.5~2.25g、サラゾピリン®錠1日2g〈注1〉、アサコール®錠1日2.4g、リアルダ®錠1日2.4gいずれかを投与する。維持療法としてペンタサ®顆粒/錠またはアサコール®錠を使用する場合には、アドヒアランスを改善するために1日1回投与が望ましい。
局所治療: ペンタサ®注腸1日1gまたはサラゾピリン®坐剤1日0.5~1gやペンタサ®坐剤1日1gを使用する。
〈注1〉サラゾピリン®錠の用量については、症状により初回毎日16錠(8g)を3週間程度は用いても差し支えない。サラゾピリン®錠は発疹のほか溶血や無顆粒球症、肝機能障害なども起こり得るので、定期的に血液検査や肝機能検査を行う。また、男性の場合には精子数の減少や運動能の低下も報告されている。
- 電子添文(7.1項)[2023年7月改訂(第3版)]
- 補足;インタビューフォーム(VII.1.(4)2)併用薬の影響)[2023年7月改訂(第10版)]
References
- 潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 (令和4年度改訂版)
2023/7/20