透析を必要とする末期腎不全患者における、本剤(リフヌア®錠45mg)の用法及び用量の調節に関する十分なデータは得られていません。
また、本剤の有効成分であるゲーファピキサントは、血液透析により一部除去されることが示されています。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.2 腎機能障害患者 腎機能検査を定期的に実施することが望ましい。なお、味覚障害は曝露量依存的に増加する傾向が認められている。[7.、9.8、15.1.1、15.2参照] 9.2.1 重度腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)で透析を必要としない患者 ゲーファピキサントの曝露量の上昇が認められた。[7.、9.8、16.6.1参照] 9.2.2 透析を必要とする末期腎不全患者 推奨される用法及び用量の調節を設定するための十分なデータは得られていない。[13.1参照] |
[解説]
◆外国人末期腎不全被験者の薬物動態パラメータ
血液透析を必要とする外国人末期腎不全被験者に対して、第1期の1日目の血液透析直後にゲーファピキサント50mg注)を単回経口投与、第2期の1日目の血液透析の約2時間前にゲーファピキサント50mg注)を単回経口投与した。第1期及び第2期の投与の間は約7日間(血液透析2回実施)間隔を空けた。
血液透析下でのゲーファピキサントのAUC0-lastは、非血液透析下と比較して23%低かった1)、2)(026試験)。
これはゲーファピキサントの一部が血液透析により除去されていることを示している。
なお、透析を必要とする末期腎不全患者に推奨される用法及び用量の調節を設定するための十分なデータは得られていない。
表 血液透析を必要とする末期腎不全被験者に非透析下及び透析下でゲーファピキサント50mgを単回投与した際の血漿中薬物動態パラメータの要約統計量及び両条件での比較(026試験 パート2:外国人データ)
例数 |
Tmax† (hr) |
Cmax‡ (ng/mL) |
AUC0-∞‡♯ (ng・hr/mL) |
AUC0-last‡ (ng・hr/mL) |
t1/2§ (hr) |
CL/F‡ (L/hr) |
Vz/F§ (L) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
末期腎不全被験者* (非透析下) |
5 |
4.0 [3.5 - 8.0] |
292 (194, 439) |
10100 (6300, 16200) |
7870 (5080, 12200) |
33.1 (19.9) |
4.95 (3.08, 7.94) |
241 (36.5) |
末期腎不全被験者 (透析下) |
6 |
4.5 [2.5 - 6.0] |
214 (142, 322) |
7810 (4740, 12900) |
6030 (3930, 9260) |
33.2 (23.1) |
6.40 (3.89, 10.6) |
307 (34.3) |
透析下/非透析下¶* |
- |
0.73 (0.52, 1.03) |
0.77 (0.53, 1.13) |
0.77 (0.54, 1.08) |
- |
1.30 (0.88, 1.90) |
- |
†:中央値[最小値 - 最大値]
‡:最小二乗平均に基づく幾何平均(95%信頼区間)
§:幾何平均(幾何平均に基づく変動係数%)
♯:4例(透析下及び非透析下の末期腎不全被験者各2例)はAUC%extrapが25%を超えていた。
¶:幾何平均比(90%信頼区間)
*:第1期で末梢血からの血漿検体が6つの時点で得られなかったため、1例の被験者を除外した。
注)本剤の用法及び用量は、「通常、成人にはゲーファピキサントとして1回45mgを1日2回経口投与する。」です。
- 電子添文(9.2項)[2023年5月改訂(第2版)]
- インタビューフォーム(VIII.6.(2)腎機能障害患者、VII.9.透析等による除去率)[2023年5月改訂(第3版)]
- 解説;インタビューフォーム(VII.9.透析等による除去率)[2023年5月改訂(第3版)]
References
- 内因性要因の評価(2022年1月20日承認、CTD 2.7.2.3)
- 非日本人腎機能障害者を対象とした薬物動態試験(026試験)(2022年1月20日承認、CTD 2.7.6.2)
2023/5/1