高齢者では、本剤(ラスビック®錠75mg)の重大な副作用である「腱障害」があらわれやすいとの報告がありますので、腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状があらわれた場合には直ちに受診するように指導してください。
また、一般に、高齢者は生理機能が低下していますので、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.8 高齢者 9.8.1 腱障害があらわれやすいとの報告がある。[11.1.7参照] 9.8.2 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。本剤の臨床試験成績では、高齢者(65~88歳)において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者(16~64歳)と同様であった。 |
11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.7 アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明) 腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.8.1参照] |
[解説]
高齢者(6例:66~79歳)及び非高齢者(6例:32~36歳)にラスクフロキサシン200mg注)を単回経口投与したときの血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは下表のとおりであった。
表 高齢者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
例数 |
Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUCinf (μg・hr/mL) |
|
---|---|---|---|---|---|
高齢者 |
6 |
2.16 ± 0.438 |
1.75 ± 0.758 |
16.6 ± 2.67 |
33.8 ± 5.11 |
非高齢者 |
6 |
1.50 ± 0.247 |
2.50 ± 1.05 |
15.6 ± 2.39 |
30.2 ± 4.23 |
平均値 ± 標準偏差
注)本剤の用法及び用量は、「通常、成人には、ラスクフロキサシンとして1回75mgを1日1回経口投与する」です。
- 患者向医薬品ガイド[2020年12月更新]
- 電子添文(9.8項、11.1.7項)[2020年12月改訂(第1版)]
- 解説;電子添文(16.6.3項)[2020年12月改訂(第1版)]
2022/9/8