本剤(ラスビック®錠75mg)との併用に注意が必要な薬剤は、以下のとおりです。
- アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛を含有する製剤; 制酸剤、ミネラル入りビタミン剤等
- フェニル酢酸系、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤; フルルビプロフェン等
- リファンピシン
- フェニトイン
- カルバマゼピン
- テオフィリン
- アミノフィリン水和物
- クラスIA抗不整脈薬; キニジン、プロカインアミド等
- クラスIII抗不整脈薬; アミオダロン、ソタロール等
- 副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤); プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等
電子添文の記載は、以下のとおりです。
10. 相互作用 10.2 併用注意(併用に注意すること)
|
[補足]
本剤の有効成分であるラスクフロキサシンはCYP3A4の基質です。
[解説]
薬物相互作用
◆In vitro 試験成績
ヒト肝ミクロソームを用いてCYP分子種の代謝活性に対するラスクフロキサシンの阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはCYP3A4及びCYP2C8を時間依存的に阻害した。ヒト凍結肝細胞を用いてCYP分子種に対するラスクフロキサシンの誘導能を検討したところ、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用が認められた。
また、各種トランスポータ発現細胞を用いてラスクフロキサシンの基質性を検討したところ、ラスクフロキサシンはP-糖タンパクの基質であった。同様にラスクフロキサシンの各種トランスポータに対する阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはMATE1及びMATE2-K発現細胞の基質輸送を阻害した。
◆臨床試験成績
・制酸剤との併用
健康成人9例に乾燥水酸化アルミニウムゲル(1075.2mg)・水酸化マグネシウム(960mg)の配合剤とラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastは、それぞれ0.513倍及び0.681倍に減少した。
・ファモチジンとの併用
健康成人9例にファモチジン20mgとラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
・イトラコナゾールとの併用
健康成人5例にイトラコナゾール200mgとラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastは、それぞれ1.16倍及び1.46倍に増加した。
・フェロジピンとの併用
健康成人12例にフェロジピン2.5 mgとラスクフロキサシン200mg注)を併用投与したとき、フェロジピンのCmax及びAUClastは それぞれ1.15倍及び1.62倍に増加した。
・テオフィリンとの併用
健康成人6例にテオフィリン200mgとラスクフロキサシン150mg注)を併用投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUC0-10はそれぞれ1.17倍及び1.18倍に増加した。
・モンテルカストとの併用
健康成人10例にモンテルカスト5mgとラスクフロキサシン150mg注)を併用投与したとき、モンテルカストのCmax及びAUClastはそれぞれ1.41倍及び1.94倍に増加した。
・メトホルミンとの併用
健康成人8例にメトホルミン250mgとラスクフロキサシン150mg注)を併用投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
注)本剤の用法及び用量は、「通常、成人には、ラスクフロキサシンとして1回75mgを1日1回経口投与する」です。
- 電子添文(10.2項)[2020年12月改訂(第1版)]
-
補足;電子添文(10項)[2020年12月改訂(第1版)]
- 解説;電子添文(16.7項)[2020年12月改訂(第1版)]
2022/9/8