本剤(フルティフォーム®50エアゾール/125エアゾール)の投与に際して、注意が必要な合併症や既往歴等は以下のとおりです。
- 結核性疾患の患者
- 感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症を除く)の患者
- 甲状腺機能亢進症の患者
- 高血圧の患者
- 心疾患のある患者
- 糖尿病の患者
- 低カリウム血症の患者
- 気管支粘液の分泌が著しい患者
- 長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者
- 低酸素血症の患者
電子添文の記載は、以下のとおりです。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者 9.1.1 結核性疾患の患者 ステロイドの作用により症状を増悪させるおそれがある。 9.1.2 感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症を除く)の患者 ステロイドの作用により症状を増悪させるおそれがある。 9.1.3 甲状腺機能亢進症の患者 甲状腺ホルモンの分泌を亢進させるおそれがある。 9.1.4 高血圧の患者 血圧を上昇させるおそれがある。 9.1.5 心疾患のある患者 β1作用により症状を増悪させるおそれがある。 9.1.6 糖尿病の患者 グリコーゲン分解作用及びステロイドの作用により症状を増悪させるおそれがある。 9.1.7 低カリウム血症の患者 Na+/K+ ATPaseを活性化し細胞外カリウムを細胞内へ移動させることにより低カリウム血症を増悪させるおそれがある。[11.1.2参照] 9.1.8 気管支粘液の分泌が著しい患者 本剤の肺内での作用を確実にするため、本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用すること。 9.1.9 長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者 全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。 9.1.10 低酸素血症の患者 血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。[11.1.2参照] |
[補足]
重篤な血清カリウム値の低下は、RMPの安全性検討事項の「重要な特定されたリスク」に、また心血管系事象及び副腎皮質ステロイド剤の全身作用(副腎皮質機能抑制、骨障害、眼障害等)は、RMPの安全性検討事項の「重要な潜在的リスク」に挙げられています。
[関連FAQ]
- 電子添文(9.1項)[2024年5月改訂(第6版)]
- 補足;医薬品リスク管理計画書(RMP)[2023年11月2日提出]
2024/6/17