本剤(モメタゾン点鼻液50μg「杏林」)の投与に際して、注意が必要な合併症や既往歴等は、以下のとおりです。
- 結核性疾患の患者
- 未治療の感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身性の真菌症を除く)の患者
- 眼の単純ヘルペスの患者
- 反復性鼻出血の患者
- 鼻中隔潰瘍のある患者、鼻の手術を受けた患者、あるいは鼻外傷のある患者
- ステロイド剤の全身投与から局所投与に切り替えた患者
なお、有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身性の真菌症の患者への投与は禁忌となります。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
|
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと) 2.1 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身性の真菌症の患者[症状を増悪させるおそれがある。] |
|
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者 9.1.1 結核性疾患、未治療の感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身性の真菌症を除く)及び眼の単純ヘルペス患者 症状を増悪させるおそれがある。 9.1.2 反復性鼻出血の患者 出血を増悪させるおそれがある。 9.1.3 鼻中隔潰瘍のある患者、鼻の手術を受けた患者、あるいは鼻外傷のある患者 患部が治癒するまで本剤を投与しないこと。ステロイド剤は創傷治癒を抑制する作用がある。 9.1.4 ステロイド剤の全身投与から局所投与に切り替えた患者 副腎皮質機能不全又は離脱症状(関節あるいは筋肉の疼痛、倦怠感及びうつ等)の徴候、症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。また、全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。 |
[解説]
一般に副腎皮質ステロイド剤の全身投与時には、副腎皮質機能の抑制又は機能不全が起こっている可能性がある。これに対して、本剤の点鼻投与時の全身吸収性は極めて低く、内因性ステロイド様作用を期待することはできない。このため、全身投与の副腎皮質ステロイド剤から本剤に切り替えた際に副腎皮質機能不全又は離脱症状(関節あるいは筋肉の疼痛、倦怠感及びうつ等)が発現することがあるので、これらの徴候、症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
また、全身投与の副腎皮質ステロイド剤の減量中並びに離脱後は副腎皮質機能検査を実施し、副腎皮質機能に注意すること。特に外傷、手術、重症感染症等のストレス時には内因性ステロイド欠乏状態となり急性副腎不全に類似した病態を呈することがあるため、十分に注意すること1)。
- モメタゾン点鼻液50μg「杏林」の電子添文(2.1項、9.1項)[2025年10月改訂(第4版)]
- 解説;モメタゾン点鼻液50μg「杏林」のインタビューフォーム(VIII.6.(1)合併症・既往歴等のある患者)[2025年11月改訂(第7版)]
References
- 山崎純子 他. 呼吸. 1999 ;18 :281-287
2026/3/30