本剤(ベストロン®耳鼻科用1%)は、溶解後は"冷所"に保存して"7日以内"に使用するように指導してください。
なお、冷所保存した薬液を点耳する際に、薬液の温度が低いと眩暈を起こすことがありますので、使用時には部屋の温度に戻してから使用するように指導してください。
ただし、本剤を副鼻腔炎にネブライザーを用いて"室温"で使用する場合は、溶解後"20時間以内"に使用してください。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
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14. 適用上の注意 14.1 薬剤調製時の注意(一部抜粋) 〈鼻科用〉 ネブライザーにより室温で使用する場合は、溶解後20時間以内に使用すること。 14.2 薬剤交付時の注意 患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。 〈投与経路共通〉 ・粉末を溶解するときは、溶解液瓶の大キャップをとりはずし、粉末瓶にしっかり差し込み、よく振って溶解すること。 ・使用のとき、小キャップだけをとりはずし、使用すること。 ・溶解後は、冷所に保存し、7日以内に使用すること。 〈耳科用〉 ・冷所保存した薬液を点耳する際、薬液の温度が低いと眩暈を起こすことが考えられるので、使用時には部屋の温度に戻して使用すること。 ・薬液汚染防止のため、点耳のとき、容器の先端が直接耳に触れないように注意すること。 |
[解説]
本剤の溶解後の安定性試験結果1)は、以下のとおりであった。
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保存条件 |
保存期間 |
保存形態 |
結果 |
|---|---|---|---|
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温度:15℃ |
7日 |
ポリエチレン容器 |
液は微黄色澄明に変化したが、pHについては変化なかった。 含量(力価)の残存率は95%以上を維持した。 |
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温度:室温 |
7日 |
ポリエチレン容器 |
含量(力価)の残存率低下が認められた。 |
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温度:30℃ |
20時間 |
透明ガラス瓶 |
液は微黄色澄明に変化したが、pHについては変化なかった。 含量(力価)の残存率は95%以上を維持した。 |
測定項目:性状、pH、含量(力価)
- 電子添文(14項)[2024年5月改訂(第2版)]
- 解説;インタビューフォーム(IV.7.調製法及び溶解後の安定性)[2024年5月改訂(第13版)]
References
- 千寿製薬株式会社 社内資料
2025/12/23