本剤(ベストロン®耳鼻科用1%)の有効成分であるセフメノキシムの血中濃度は、以下のとおりです。
◆単回投与
<点耳時>
化膿性中耳炎患者(4例)に本剤を6~10滴(0.3~0.5mL)点耳し、10分間耳浴したとき、血清中濃度は投与後30分に0.0125~0.020μg/mL(3例)、60分に0.023μg/mL(1例)でした1)。
◆反復投与
<点鼻時>
健康成人の右鼻腔内に1%又は2%セフメノキシム鼻科用液(4例又は5例)を1回3滴(0.15mL)、1日3回14日間点鼻※したとき、7及び14日目における最終投与後1時間の血清中濃度は、2%群の1例で投与14日目において0.0102μg/mLであったが、その他はすべて定量下限値(0.01μg/mL)未満でした。
<噴霧吸入時>
健康成人の右鼻腔内に1%又は2%セフメノキシム鼻科用液(各5例)を、鼻用定量噴霧器を用いて1回2噴霧、1日3回14日間噴霧吸入※したとき、7及び14日目における最終投与後1時間の血清中濃度は、すべて定量下限値(0.01μg/mL)未満でした。
※:本剤の副鼻腔炎(ただし、ネブライザーを用いた噴霧吸入においては中鼻道閉塞が高度の症例を除く)に対する用法及び用量は、「本剤を添付の溶解液で1mL当たりセフメノキシム塩酸塩として10mg(力価)の濃度に溶解し、次のとおり用いる。(中略)副鼻腔炎に対しては、通常1回2~4mLを隔日に1週間に3回ネブライザーを用いて噴霧吸入するか、又は1回1mLを1週間に1回上顎洞内に注入する。なお、症状により適宜回数を増減する。ただし、症状に改善がみられない場合は漫然と長期間の連続投与を行わないこと。」です。
- 電子添文(16.1項)[2024年5月改訂(第2版)]
Reference
- 杉田麟也 他 :耳鼻咽喉科臨床. 1983 ;76 :3007-3014
2025/12/23