本剤(小児用バクシダール®錠50mg)の高齢者への投与は適応外です。
本剤の適応は小児のみです。
高齢者では、本剤の投与により「腱障害」があらわれやすいとの報告があります。本剤の重大な副作用に「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」がありますので、腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状があらわれた場合には直ちに受診するように指導してください。
また、本剤は主として腎臓から排泄されますが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがありますので、患者の状態を観察しながら用量に留意して慎重に投与してください。
電子添文の記載は、以下のとおりです。
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9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.8 高齢者 9.8.1 腱障害があらわれやすいとの報告がある。[11.1.5参照] 9.8.2 用量に留意して慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。[11.1.12参照] |
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11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.5 アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明) 腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.8.1参照] |
注)本剤の用法及び用量は、「本剤は他の抗菌剤が無効と判断される症例に対してのみ投与する。ノルフロキサシンとして、通常1日体重1kg当たり6~12mgを3回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減する。また、投与期間はできるだけ短期間(原則として7日以内)にとどめること。ただし、腸チフス、パラチフスの場合は、ノルフロキサシンとして1日体重1kg当たり15~18mgを3回に分けて、14日間経口投与する。」です。
[補足]
15歳以上の成人には、本剤ではなく、バクシダール®錠100mg又はバクシダール®錠200mgを使用してください。
フルオロキノロン系抗菌薬投与時の腱障害のリスク因子に関する系統的文献レビュー1)において、高齢者群では対照群よりも腱障害のリスクが増大することが示唆されました。
[関連FAQ]
- 電子添文(9.8項、11.1.5項)[2024年5月改訂(第3版)]
- 補足;インタビューフォーム(VIII.6.(8)高齢者)[2025年6月改訂(第20版)]
References
- Stephenson, A.L. et al. :Drug Saf. 2013 ;36 :709-721(PMID:23888427)
2025/11/26