本剤(キプレス®チュアブル錠5mg)の有効成分であるモンテルカストの血中濃度は、以下のとおりです。
◆単回投与
2歳以上6歳未満の小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠4mg注)を空腹時単回経口投与したとき、投与後約2時間にCmaxに到達しました。健康成人(モンテルカストフィルムコーティング錠10mg空腹時投与)に対する小児気管支喘息患者のAUCの幾何平均比(90%信頼区間)は1.05(0.90, 1.22)でした(外国人データ)1)。
表1 小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠4mgを空腹時単回経口投与時の薬物動態パラメータ
被験者 |
剤形 |
投与量 |
例数 |
AUCpop (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUCpopの平均比 (95%信頼区間) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小児患者 (2歳以上6歳未満) |
チュアブル錠 |
4mg |
15 |
2721 [164.39] |
471.01 [65.27] |
2.07 [0.30] |
3.17 [0.20] |
1.05 (0.90, 1.22) |
健康成人* |
フィルム コーティング錠 |
10mg |
16 |
2595 [164.53] |
283.71 [54.35] |
3.36 [0.60] |
4.09 [0.09] |
- |
母集団薬物動態解析法による推定値[標準誤差]
*:モンテルカストフィルムコーティング錠10mg空腹時単回経口投与時のデータ
注)本剤の用法及び用量は、「通常、6歳以上の小児にはモンテルカストとして5mgを1日1回就寝前に経口投与する。」です。
◆反復投与
軽症から中等症の小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠5mgを1日1回7日間食後反復経口投与したとき、1日目は投与後3.1時間、7日目は投与後4.3時間にCmax(630ng/mL及び628ng/mL)に達し、t1/2はいずれもおよそ4時間でした。1日目及び7日目のAUC0-24hrはそれぞれ4170ng・hr/mL及び4910ng・hr/mLでした。血漿中にモンテルカストはほとんど蓄積しないことが示唆されました2)。
表2 小児患者及び健康成人における薬物動態パラメータ
被験者 |
剤形 |
投与日 |
投与量 |
例数 |
Tmax |
Cmax |
t1/2† |
AUC0-24hr |
AUC0-∞ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小児 患者 |
チュアブル錠 |
1日目 |
5mg |
7 |
3.1 ± 1.6 |
630 ± 234 |
3.99 ± 0.42 |
4170 ± 1000 |
4250 ± 1000 |
7日目 |
5mg |
7 |
4.3 ± 1.4 |
628 ± 222 |
4.08 ± 0.55 |
4910 ± 1260 |
5030 ± 1280 |
||
健康 成人 |
フィルムコーティング錠 |
1日目 |
5mg |
8 |
5.3 ± 1.0 |
580 ± 136 |
4.68 ± 0.41 |
4470 ± 1120 |
4690 ± 1210 |
7日目 |
5mg |
8 |
3.3 ± 1.0 |
660 ± 124 |
5.06 ± 0.32 |
4680 ± 1030 |
4960 ± 1120 |
平均±標準偏差、†:調和平均±ジャックナイフ標準偏差
- インタビューフォーム(VII.10.特定の背景を有する患者)[2025年1月改訂(第47版)]
- 電子添文(16.1.2項)[2024年5月改訂(第2版)]
References
- Knorr, B. et al. :J. Clin. Pharmacol. 2001 ;41 :612-619
- 飯倉洋治, 他. :臨床医薬. 2001 ;17 :597-608
2025/1/6