本剤(リフヌア®錠45mg)の曝露量に対して、軽度又は中等度腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2以上)は臨床的に意味のある影響を及ぼしませんでした。
一方、重度腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)で透析を必要としない患者では腎機能正常者と比較し、本剤の有効成分であるゲーファピキサントのAUC0-12hr及びCmaxの幾何平均はそれぞれ89%及び54%増加すると予測されました。このため、重度腎機能障害で透析を必要としない患者においては、腎機能正常者と同程度の曝露量を維持するために本剤の用法及び用量を調節する必要があります。
[解説]
ゲーファピキサントの主要な消失経路は腎排泄である。
臨床薬理試験(腎機能障害者18例)並びに第I、II及びIII相試験のデータ(1677例)を用いた母集団薬物動態解析から得られた腎機能障害の重症度別のゲーファピキサントの血漿中薬物動態パラメータを下表に示す。
表 臨床薬理試験及び母集団薬物動態解析から得られた腎機能障害の重症度別のゲーファピキサントの血漿中薬物動態
臨床薬理試験 |
母集団薬物動態解析 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|
腎機能障害の重症度† |
投与量注) |
AUC0-∞ (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
投与量 |
定常状態時の AUC0-12hr§ (ng・hr/mL) |
定常状態時の Cmax§ (ng/mL) |
正常 |
50mg 単回投与 |
2280‡ |
160‡ |
45mg 1日2回 |
3820 |
508 |
軽度 |
4260‡|| |
221‡|| |
4470 |
554 |
||
中等度 |
6350‡ |
272‡ |
5570 |
644 |
||
重度 |
8580‡ |
318‡ |
7220 |
785 |
||
非血液透析下の末期腎不全 |
10100¶ |
292¶ |
- |
- |
- |
|
血液透析下の末期腎不全 |
7810¶ |
214¶ |
- |
- |
- |
† 正常:eGFR 90mL/min/1.73m2以上、軽度:eGFR 60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満、中等度:eGFR 30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満、重度:eGFR 15mL/min/1.73m2以上30mL/min/1.73m2未満
‡ 自然対数変換後のデータを用いた線形回帰による平均値
§ 幾何平均
|| 本試験には軽度腎機能障害者は組み入れられなかったため、当該被験者での曝露量は正常な腎機能を有する被験者及び中等度腎機能障害者から補間した。
¶ 最小二乗平均に基づく幾何平均
軽度又は中等度腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2以上)はゲーファピキサントの曝露量に対して臨床的に意味のある影響を及ぼさなかった。
治療抵抗性又は原因不明の慢性咳嗽患者を含めた母集団薬物動態解析の結果、重度腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)で透析を必要としない患者では腎機能正常者と比較し、ゲーファピキサントのAUC0-12hr及びCmaxの幾何平均はそれぞれ89%及び54%増加すると予測された1)。
腎機能正常者と同程度の曝露量を維持するため、重度腎機能障害で透析を必要としない患者に対しては本剤の用法及び用量を調節すること。
注)本剤の用法及び用量は、「通常、成人にはゲーファピキサントとして1回45mgを1日2回経口投与する。」です。
[関連FAQ]
- 電子添文(6項、7項、9項、16.6.1項)[2025年2月改訂(第4版)]
- 解説;電子添文(16.6.1項)[2025年2月改訂(第4版)]
References
- 社内資料 :腎機能障害(2022年1月20日承認、CTD2.7.2.3)
2025/2/6