本剤(ラスビック®錠75mg)の薬物動態において、軽度及び中等度の肝機能障害では健康成人に比べてCmax及びAUCはやや上昇しました1)。
[解説]
健康成人(肝機能正常者)を対象として、ラスクフロキサシン75mgを単回経口投与した試験(AMX-T112試験)と、肝機能障害の重症度が軽度及び中等度の被験者へ単回経口投与した試験(AMX-T106試験)における薬物動態パラメータを比較した。肝機能正常者、軽度被験者及び中等度被験者での血漿中ラスクフロキサシン濃度の平均値はそれぞれCmaxでは0.592、0.862及び1.03μg/mL、AUClastでは9.19、13.7及び17.0μg・h/mLであり、健康成人と比較し、軽度及び中等度の肝機能障害患者のCmax及びAUCはやや増加した1)。
表 肝機能障害者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ(AMX-T106試験)
| 
 肝機能障害の程度 (Child-Pugh分類スコア)  | 
 投与量  | 
 例数  | 
 Cmax (μg/mL)  | 
 Tmax (hr)  | 
 t1/2 (hr)  | 
 AUCinf (μg・hr/mL)  | 
|---|---|---|---|---|---|---|
| 
 軽度 (5~6)  | 
 75mg  | 
 11  | 
 0.862 ± 0.190  | 
 1.31 ± 0.522  | 
 15.5 ± 3.43  | 
 14.4 ± 5.23  | 
| 
 中等度 (7~9)  | 
 75mg  | 
 2  | 
 0.734, 1.32  | 
 0.967, 1.03  | 
 19.6, 23.4  | 
 12.4, 25.3  | 
軽度:平均値±標準偏差、中等度:個別値
表 健康成人にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したときのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ(AMX-T112試験)
| 
 被験者  | 
 投与量  | 
 例数  | 
 Cmax (μg/mL)  | 
 Tmax (hr)  | 
 t1/2 (hr)  | 
 AUCinf (μg・hr/mL)  | 
|---|---|---|---|---|---|---|
| 
 健康成人  | 
 75mg  | 
 24  | 
 0.592 ± 0.162  | 
 2.48 ± 1.09  | 
 13.9 ± 1.35  | 
 10.2 ± 2.02  | 
平均値±標準偏差
[関連FAQ]
- 解説;インタビューフォーム(VII.1.(4)1)食事の影響、VII.10.1)肝機能障害者)[2025年6月改訂(第8版)]
 
References
- 社内資料 :肝機能(2019年09月20日承認、CTD2.5.3.1.5.3)
 
2025/6/24