本剤(ラスビック®点滴静注キット150mg)の薬物動態において、テオフィリンと本剤との併用によりテオフィリンのCmax及びAUC0-10が増加しました。
[解説]
◆In vitro 試験成績
ヒト肝ミクロソームを用いてCYP分子種の代謝活性に対するラスクフロキサシンの阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはCYP3A4及びCYP2C8を時間依存的に阻害した。ヒト凍結肝細胞を用いてCYP分子種に対するラスクフロキサシンの誘導能を検討したところ、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用が認められた。
また、各種トランスポータ発現細胞を用いてラスクフロキサシンの基質性を検討したところ、ラスクフロキサシンはP-糖タンパクの基質であった。同様にラスクフロキサシンの各種トランスポータに対する阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはMATE1及びMATE2-K発現細胞の基質輸送を阻害した。
◆臨床試験成績(経口投与)
・イトラコナゾールとの併用
健康成人5例にイトラコナゾール200mgとラスクフロキサシン75mg注)を経口にて併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastは、それぞれ1.16倍及び1.46倍に増加した。
・フェロジピンとの併用
健康成人12例にフェロジピン2.5 mgとラスクフロキサシン200mg注)を経口にて併用投与したとき、フェロジピンのCmax及びAUClastは それぞれ1.15倍及び1.62倍に増加した。
・テオフィリンとの併用
健康成人6例にテオフィリン200mgとラスクフロキサシン150mg注)を経口にて併用投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUC0-10はそれぞれ1.17倍及び1.18倍に増加した。
・モンテルカストとの併用
健康成人10例にモンテルカスト5mgとラスクフロキサシン150mg注)を経口にて併用投与したとき、モンテルカストのCmax及びAUClastはそれぞれ1.41倍及び1.94倍に増加した。
・メトホルミンとの併用
健康成人8例にメトホルミン250mgとラスクフロキサシン150mg注)を経口にて併用投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
注)本剤の用法及び用量は、「通常、成人にはラスクフロキサシンとして、投与初日に300mgを、投与2日目以降は150mgを1日1回点滴静注する。」です。
[関連FAQ]
- 電子添文(16.7項)[2024年5月改訂(第5版)]
- 解説;電子添文(16.7項)[2024年5月改訂(第5版)]
2024/7/29