新医薬品 開発

杏林製薬(株)は、中期的な成長を支える開発パイプラインの拡充、効率的な臨床試験の実施に積極的に取り組んでいます。

強み

  • 呼吸器科、耳鼻科、泌尿器科領域の製品開発におけるノウハウ・人脈・ネットワーク(特定疾患領域の開発力)
  • 創薬及び、営業部門、戦略立案部門との連携(一貫した開発戦略)

機会

  • 海外臨床試験、国際共同治験の増加
  • 診断技術の発展による被験者の組入れ精度の向上
  • デジタル技術の活用による効率的なオペレーションの実現
  • 早期承認制度等の活用による治療機会の早期提供
  • 異業種、アカデミア等とのエコシステムの構築・活用・連携による開発推

リスク

  • 治験(臨床試験)及び新薬承認の厳格化による開発費用のさらなる高騰
  • 薬価制度改革による事業収益性への影響
  • 導入対象疾患領域をFC3科(呼吸器科、耳鼻科、泌尿器科)周辺、感染症、希少・難治性疾患とし、中期的な業績に寄与するパイプラインの拡充に積極的に投資する
  • 自社でのPOC※取得を基本とし、早期のグローバル導出を目指す※POC:研究開発の段階にある新薬候補物質において、その有効性や安全性がヒトで確認されていること

具体的な取り組み

成長を支えるパイプラインの拡充

杏林製薬(株)は中期的な成長を支えるパイプラインの拡充を重要な経営課題の一つとして捉えており、特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)および感染症、希少・難治性疾患における開発パイプラインの拡充に取り組んでいます。

2020年度には、前立腺肥大症治療薬「AKP-009:導入先 あすか製薬(株)」を獲得しました。国内開発では、喘息治療配合剤「フルティフォーム」の小児適応追加、ニューキノロン系注射用抗菌剤「ラスビック点滴静注キット150mg」の上市を達成し、間質性膀胱炎治療剤「ジムソ膀胱内注入液50%」の製造販売承認を取得しました。

他方、自ら創製した化合物についてはライセンシング活動による早期のグローバル展開を目指しています。

開発品の動向

積極的なパートナリング活動の推進

杏林製薬(株)は、2020年9月、あすか製薬(株)と前立腺肥大症治療薬「開発コード:AKP-009」の共同開発および販売等に関する契約を締結、また2021年4月、MSD(株)と同社が製造販売承認を申請している慢性咳嗽治療薬「ゲーファピキサント」の日本国内での独占販売に関する契約を締結し開発パイプラインの拡充を図りました。

2020年1月に米国エイタイヤー社とライセンス契約を締結した間質性肺疾患治療薬「KRP-R120」については、日本で間質性肺疾患(肺サルコイドーシス等)での開発を進めています。

当社グループは、今後もワールドワイドでのパートナリング活動を積極的に展開することにより、中期的な成長を支える製品パイプラインの拡充を図り、重点領域である呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科において高いプレゼンスの確立を目指します。

グローバル導出を促進し、海外収益を拡大する

杏林製薬(株)は自社創製品の価値最大化の取り組みとして、グローバル企業への導出活動を積極的に展開しています。自社創製した感音難聴を対象とする新規開発候補化合物について、2020年8月、米国オトノミー社とライセンス契約を締結し、同社に全世界における本剤の開発権、製造権および販売権を供与しました。また2020年10月、プリオセラ社に免疫調節薬「KRP-203」に関わる知的財産権等を譲渡し、2021年3月には、エーザイ(株)と過活動膀胱治療剤「ビベグロン(日本販売名:ベオーバ)」のASEAN4カ国における開発・販売に関するライセンス契約を締結しました。

さらにニューキノロン系合成抗菌剤「ラスクフロキサシン(日本販売名:ラスビック)」についても、現在海外導出に向けた活動を行っています。

国内外企業とのパートナリング

図:「国内外企業とのパートナリング イメージ

アジアへの直接的進出に向けた取り組み

ライセンス活動と並行して、アジアを中心に将来の直接的進出の礎を築くべく、東南アジアでの市場調査・情報収集等を行いました。2017年、Meiji Seika ファルマ(株)のインドネシア子会社PT.Meiji を通じて環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」を販売し、またベトナム企業のビディファー社とGE医薬品の製剤技術に関するライセンス契約を締結、2019年にはモンゴル企業モノスファームトレード社とGE医薬品の販売権に関する契約を締結しています。

今後は現地で収集した情報に基づき、直接的な進出に向けた検討を重ね、着実に推進していきます。

医薬に関する研究活動サポート

杏林医学教育プロジェクト助成

杏林製薬株式会社は、2021年度より公募による「杏林医学教育プロジェクト助成」を行っております。

当該助成は、医学関係学会が独立して企画・運営する医学教育プロジェクトへ支援することで、医療関係者の教育機会の創出、ならびに知識・能力の向上を通じ、本邦における医療の質の向上に寄与することを目的とする制度です。

2024年度は、耳鼻咽喉疾患領域における教育プロジェクトを募集致します。

詳しくは「募集要項」をご確認ください。

2021年度採択プロジェクト

学会名:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

プロジェクト名:耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術手技教育プログラム(活動期間:3年間)