新中期経営計画「HOPE100 ステージ3 」の策定について
2020年5月12日
キョーリン製薬ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区)は、この度、2020年度を初年度とする4ヵ年の新中期経営計画「HOPE100-ステージ3-」(2020?2023年度)を策定いたしました。
I.長期ビジョン「HOPE100」について
当社グループは、企業理念「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します」の具現に向け、中核子会社である杏林製薬の創業 100 周年に当たる 2023 年を見据えた長期ビジョン「HOPE100」を 2010 年に策定しました。最終年度までの期間を 3 つのステージ(ステージ 1;2010-2015 年度、ステージ 2;2016-2019 年度、ステージ 3;2020-2023 年度)に分け、健全かつ持続的に成長する「健康生活応援企業」への進化を目指しています。
II.新中期経営計画「HOPE100-ステージ 3-」の位置づけ
「ステージ 1」では、ステートメント「事業編成と各事業推進体制の構築・推進力の向上」のもと、医療用医薬品事業における開発パイプラインの拡充、フランチャイズカスタマー戦略の深耕による主力製品普及の最大化に努めるとともに、医療用医薬品を複合的に展開する新たな医薬事業モデルの構築・推進に取り組み、一定の成果を獲得しました。
「ステージ 2」では、ステートメント「変革(変化と革新)を行い、持続成長を図る」のもと、主力製品「キプレス」の特許満了に伴う対応と中長期的な視点での成長軌道の獲得を目指し、創薬力の強化、新薬群比率の向上、特色を活かしたジェネリック(GE)事業の推進、ローコスト強化に注力してまいりました。薬価制度の抜本改革等の外部環境の劇的な変化、主力製品デザレックスの供給一時停止およびラスビック錠の製造販売承認遅延等の要因により、当初掲げた数値目標(連結売上高、連結営業利益率)の達成はできませんでしたが、創薬体制の構築、中期的な成長を牽引する新薬 3 製品の発売、新規事業として診断事業への参入等を成し遂げることができました。
今般、長期ビジョン「HOPE100」の総仕上げとなる新中期経営計画「ステージ 3」を策定しました。当社グループが目指す「健康生活応援企業」の具体的な姿を明確にするとともに、新薬群の成長加速を中心としてグループの成長トレンドへの転換を着実に実現します。
III.新中期経営計画「HOPE100-ステージ 3-」(2020-2023 年度)の概要
医療用医薬品事業を取り巻く外部環境は、医療費・薬剤費抑制策のさらなる強化、新薬の創出難易度の高まり、情報提供活動の変化等、一層厳しさが増しています。一方、内部環境としては、成長ドライバーとして期待する新薬群が出揃い、また診断事業等が芽吹きつつあり、成長期のスタートと捉えられます。このような状況下、従前の思考や方法ではない当社の「オリジナリティー(独自の競争力のある打ち手)」を追求し、成長トレンドへの転換を実現すべく、新中期経営計画「HOPE100-ステージ 3-」では、ステートメントとして「オリジナリティーの追求による成長トレンドの実現」を掲げ、事業戦略と組織化戦略に取り組み、成果目標の達成に邁進いたします。
1.キョーリン製薬グループがステージ 3 で目指す姿
革新的新薬の創製で世界に認められる企業を目指すために、新薬事業、GE 事業、感染関連事業(感染症の予防・診断・治療)を複合的に展開し、人々の健康を幅広く応援する企業を実現します。
2.事業戦略(Strategy)
(1)ソリューション提供型への変貌と新薬群の成長加速
・医療用医薬品事業と感染関連事業を複合した、ソリューション(課題の解決策)提供型に変貌し、医療関係者に対してキョーリン独自の貢献をする
・新薬群の成長を最大限に加速する(フルティフォーム、デザレックス、ベオーバ、ラスビック等)
・ヘルスケア事業については、感染関連を中心とした事業に集約化する
(2)中期的な成長を支える、パイプラインの拡充
・導入対象疾患領域をフランチャイズカスタマー3 科(呼吸器科、耳鼻科、泌尿器科)周辺、感染症、希少・難治性疾患とし、中期的な業績に寄与するパイプラインの拡充に積極的に投資する
(3)革新的新薬の創製を実現する、創薬力の強化
・現行の重点研究領域・技術の重層化と、新たな研究領域・技術への挑戦を継続する
・新薬候補品の医療における価値を明確化し、研究開発を推進する
・自社での POC 取得を基本とし、早期のグローバル導出を目指す
・創薬シーズを積極的に獲得し、多様性を高める
(4)コスト競争力の向上
・ジェネリック(GE)営業体制の効率化により GE 事業のコスト競争力を高める
・GE 新規追補品の創出力を強化する
・安定供給と低コストを実現すると共に受託製造の拡大も可能にする、製造体制を構築する
(5)海外収益の拡大
・グローバル導出を促進し、海外収益を拡大する
・アジアへの直接的進出に向けたステップを着実に推進する
3.組織化戦略(Organization)
当社グループは長期ビジョンにおいて、社員を大切にし、人と組織を活力化することが事業戦略を遂行し、成果を具現するための最重要課題と位置付けています。人材マネジメントの基本方針のもと、「ステージ3」においても、社員にとって「働きがいNo.1企業」の実現に向けて、次世代の会社を支える人材育成・獲得に取り組みます。
4.成果目標
(1)数値目標(連結ベース)
成長性:「売上高」年平均成長率 +5%以上
収益性:「研究開発費控除前 営業利益(営業利益+研究開発費)」対売上高20%以上
(2)資本政策と株主還元
資本政策においては、健全な財務基盤を維持しつつ成長投資と株主還元を通じて、資本効率の向上を図ることを基本方針とします。株主還元については、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を継続します。
詳しくは下記のPDFファイルをご覧ください。