ニュースリリース

Cyrano社との感冒後嗅覚障害治療薬CYR-064に関するオプション契約締結について

2025年2月18日

当社は、Cyrano Therapeutics, Inc.(本社:米国 Florida、CEO:Rick Geoffrion、以下、Cyrano 社)が創製した感冒後嗅覚障害治療薬 CYR-064 について、2 月 14 日付でオプション契約を締結しました。

本契約に基づき、当社は、日本における開発・販売権のライセンスに係るオプション権を有します。また当社は Cyrano 社に対してオプションフィーを支払うとともに、本契約に基づくオプション権を行使した場合には、同社とライセンス契約を締結し、契約一時金、開発から発売までの進展に応じたマイルストンペイメント、ならびに発売後の正味売上高に対する一定率のロイヤリティを Cyrano 社に支払います。

感冒後嗅覚障害は、感冒すなわち上気道のウイルス感染罹患後に上気道炎症状が消失したあとも嗅覚障害が持続する状態と定義されており、感冒は、慢性鼻副鼻腔炎、頭部外傷と並び、嗅覚障害の 3 大原因疾患のひとつとなっています 1。嗅覚障害は、患者の苦痛や心理状態に影響を与えることも多く、患者は味覚障害の併発、日常生活で安全に関連する問題やうつ病を経験する 2など、QOL3が著しく低下するものの、現在、感冒後嗅覚障害治療において明確なエビデンスを有する薬剤はありません。

CYR-064 は、現在 Cyrano 社による第 2 相臨床試験が米国にて進められており、2025 年後半に試験結果が判明する予定です。テオフィリン含有点鼻製剤である CYR-064 は、非特異的ホスホジエステラーゼ阻害作用により cAMP の分解を抑制し、細胞内濃度を上昇させて神経の興奮性を高めることが知られており、感冒後嗅覚障害治療への効果が期待できます。

当社は、長期ビジョン「Vision110」のもと、医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出を目指しており、オープンイノベーションを積極的に活用することで継続的な新薬創出を実現します。

なお、本件の 2025 年 3 月期の連結業績予想に与える影響は軽微です。