タイで過活動膀胱治療剤「ベオーバ錠」を新発売
2025年7月23日
エーザイ株式会社(本社:東京都文京区、代表執行役 CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)および杏林製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:荻原豊、以下 杏林製薬)は、このたび、エーザイのタイ販売子会社 Eisai (Thailand) Marketing Co., Ltd.(以下 エーザイ・タイランド)が過活動膀胱治療剤「ベオーバ ®錠」(一般名:ビベグロン、以下 本剤)を現地にて新発売したことをお知らせします。
本剤について、2021年にエーザイが杏林製薬より東南アジア諸国連合(ASEAN)のタイ、フィリピン、マレーシアおよびブルネイにおける独占開発権および販売権を取得し、タイにおいてはエーザイ・タイランドが 2023年3月に販売承認申請を行い、2024年6月に承認を取得しました。本剤の新発売は、エーザイのライセンス地域で初めてとなります。今回新発売のタイに加え、フィリピン、マレーシアでも既に承認を取得しており、上市に向けた準備を進めています。
過活動膀胱(OAB;Overactive Bladder)は、尿意切迫感を必須症状とし、通常は頻尿と夜間頻尿を伴う症状症候群です。患者様によっては切迫性尿失禁を伴うこともあります。トイレに関する不安から外出を控える、睡眠が十分取れないなど、患者様の日常生活に支障をきたし、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させるとされています。OAB は加齢とともに増加しますが、脳血管障害(脳出血・脳梗塞)、パーキンソン病などの脳や脊髄の疾患、前立腺肥大症が原因となることも報告されており1、適切な治療が必要です。タイにおけるOABの有病率は15.8%との報告があります2。
本剤は1日1回投与の選択的β3アドレナリン受容体作動薬で、膀胱のβ3受容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、OABにおける尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善します。
杏林製薬とエーザイは、杏林製薬が創製したOAB治療剤「ウリトス ®錠」(一般名:イミダフェナシン)について、アジアにおける開発・販売に関するライセンス契約を2009年9月に締結し、エーザイがタイ、フィリピン、インドネシア、カンボジア、ベトナム、ラオスおよびミャンマーで販売を行っています。タイにおいては、「ウリトス」に加え、今回の「ベオーバ」の新発売により、過活動膀胱に対する新たな治療選択肢を提供し、アジアの患者様の QOL の向上により一層貢献してまいります。
1 過活動膀胱診療診療ガイドライン[第3版]
2 ICS2024 Abstract 554 https://www.ics.org/2024/abstract/554
詳しくは下記のPDFファイルをご覧ください。
