SLE等の新規治療薬候補の日本における共同開発及びライセンス契約締結について
2025年10月 1日
当社は、Hinge Bio Inc. (本社:米国バーリンゲーム、CEO:Harold E. "Barry" Selick、以下、Hinge Bio 社)が創製した全身性エリテマトーデス(SLE)等の新規治療薬候補である HB2198 について、同社と 9 月 30 日付で共同開発及びライセンス契約を締結しました。
本契約に基づき、当社は、SLE 等の疾患を対象とする、HB2198 の日本における開発及び販売に関する独占的権利を取得します。当社は、Hinge Bio 社に対して、契約一時金として 10 百万ドルを支払い、また開発から製造販売承認の取得及び一定の正味売上高の達成によりマイルストンペイメントとして SLE 適応について合計 95 百万ドル、SLE 以外の適応症について一定額の支払いを行います。加えて正味売上高に応じた段階的ロイヤリティを支払います。また Hinge Bio 社が実施する臨床開発の費用の一部を負担します。
SLE をはじめとする自己免疫疾患は免疫システムの異常により発症し、自己の組織が誤って異物として認識され、過剰な免疫応答により慢性的な炎症や臓器障害が引き起こされます。既存治療では十分に症状を抑制できない患者さんが多く存在し、関節痛、皮膚症状、腎障害、中枢神経の不調等の苦痛を抱えています。
HB2198 は Hinge Bio 社独自の GEM-DIMER™プラットフォームより見出されたヒト化二重特異性抗体であり、自己免疫疾患の発症に深く関与する B 細胞の表面に存在する CD19 及び CD20 分子を同時に標的とし、循環血液とリンパ組織の両方で迅速かつ強力に B 細胞を除去することによる免疫システムの「リセット」を目指しています。非臨床試験においては、HB2198 の速やか、かつ強力な B 細胞除去作用が確認されており、自己免疫疾患に苦しむ患者さんに優れた新たな治療選択肢を提供することが期待されます。現在、米国では SLE の患者さんを対象とした第 1 相臨床試験の準備が進められています。
当社は、医療ニーズに応える価値の高い新薬の提供を目指し、中期経営計画「Vision 110?Stage1?」において「導入品による開発パイプラインの拡充」を掲げています。本契約により、新たな治療選択肢を一日も早く提供できるよう積極的に開発を進め、人々の健康に貢献する企業を目指します。
2026 年 3 月期の連結業績予想への影響につきましては、本契約により Hinge Bio 社に支払う契約一時金を当期の販売費及び一般管理費(研究開発費)に計上する予定です。
詳しくは下記のPDFファイルをご覧ください。
